にいがたニナイビト
まちづくり・観光
2022.01.11
豊富な観光資源を活かした地域づくり、キーワードは“交流人口”
東蒲原郡阿賀町
NPO法人七福の恵(さと) 理事長
石川久作さん
石川久作さん

豊かな自然に恵まれた阿賀町七名地区。七福の里とも呼ばれるこの地域で、温泉施設を運営するNPO法人七福の恵(さと)の理事長である石川久作さんに、地域づくりにかける想いを伺った。
■七福神に守られた七福の里
阿賀町七名地区は旧七名小学校の学区の七つの集落で構成されている。各集落には過去に寄附された七福神が一体ずつ安置されており、「七福の里」として地域おこしの取組が行われている。
■七福神に守られた七福の里
阿賀町七名地区は旧七名小学校の学区の七つの集落で構成されている。各集落には過去に寄附された七福神が一体ずつ安置されており、「七福の里」として地域おこしの取組が行われている。
■想いを胸にNPO法人として立ち上がる
地域の中心となっているのが平成13年に開業した七福温泉「七福荘」だ。毎日夕方になると地元の人達が入浴に訪れるこの施設は、地域の寄り合い所的な役割も果たしてきた。
人々に親しまれてきた七福荘であるが、売上減少や、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、第3セクターによる運営が継続できず、休業となってしまった。
施設存続の危機の中、石川さんら地域の人々が立ち上がった。
「七福荘は地域の中心となる非常に重要な施設である。ここがなくなったらこの地域は沈んでしまう。なんとしても存続させなければいけない。」このような想いを持つ人たちが集まり、NPO法人「七福の恵」は設立され、七福荘の運営を引き継ぐこととなった。
NPO法人となったことで、「地域づくりを一緒にやるのだ!」との一体感が生まれたと石川さんは語る。
人々に親しまれてきた七福荘であるが、売上減少や、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、第3セクターによる運営が継続できず、休業となってしまった。
施設存続の危機の中、石川さんら地域の人々が立ち上がった。
「七福荘は地域の中心となる非常に重要な施設である。ここがなくなったらこの地域は沈んでしまう。なんとしても存続させなければいけない。」このような想いを持つ人たちが集まり、NPO法人「七福の恵」は設立され、七福荘の運営を引き継ぐこととなった。
NPO法人となったことで、「地域づくりを一緒にやるのだ!」との一体感が生まれたと石川さんは語る。

■地域の便利屋として…
昨年4月に再オープンした七福荘。源泉は13度ほどで、2つある浴槽のうち、1つを源泉に近い温度にして冷温浴が楽しめるという。普通の温泉では成分を保ったまま温度を下げるのは難しいため、他の温泉と差別化を図ることができ、評判もよいそうだ。
七福の恵は、七福荘の運営以外にも地域の便利屋としての役割を担っている。
高齢化と人口減少により路線バスが廃止されたため、今年の9月から町の委託でデマンド交通の運行を開始した。タクシーと路線バスの中間のような予約制のバスで、買い物支援や通院に使われている。
また、閉校となった小学校で実施したゲートボール大会は、大いに盛り上がったという。その他にも、地域の見守りや、除雪支援など他にも地元の役にたつ事はないかと模索中だ。「地域の人たちは不便な状態で満足しているところがあるが、地域のために何ができるかずっと考えている。困っていることを何でも言ってもらえれば、相談にのり行動したい」と石川さんは語る。
七福の恵は、七福荘の運営以外にも地域の便利屋としての役割を担っている。
高齢化と人口減少により路線バスが廃止されたため、今年の9月から町の委託でデマンド交通の運行を開始した。タクシーと路線バスの中間のような予約制のバスで、買い物支援や通院に使われている。
また、閉校となった小学校で実施したゲートボール大会は、大いに盛り上がったという。その他にも、地域の見守りや、除雪支援など他にも地元の役にたつ事はないかと模索中だ。「地域の人たちは不便な状態で満足しているところがあるが、地域のために何ができるかずっと考えている。困っていることを何でも言ってもらえれば、相談にのり行動したい」と石川さんは語る。

■課題はいかに交流人口を増やすか
七福の里では、七福荘の代表や各集落の区長等で構成される七福の里活性化委員会、県、阿賀町らが協力しながら地域の活性化に取り組んでいる。
七福荘の駐車場を会場として開催される七福の里祭りには、毎回多くのカメラマンが訪れる。残念ながら、ここ2年は祭りが開催されていないが、活性化委員会主催で、七福神とめぐる七福の里撮影会とフォトコンテストを行い、入賞作品を七福荘に展示した。
町や地域振興局と一体となって取り組んだ「七福神めぐり」スタンプラリーは、各集落に安置された七福神を1時間ほどで回れるそうだ。
「人口減少、高齢化が進むこの地域を、交流人口を増やすことで活性化させたい。人口は減っているが元気は無くしたくない!」と石川さんは語る。
若者をどうやって呼び込むかが課題とのことだが、明るい兆しもある。
石川さんが組合長を務める丸渕観光わらび園。毎春数千人が訪れる人気スポットだが、わらび園のように木が全く無い山は珍しく、スノーモービルを走らせるには絶好の場となり、昨年から冬場の利用が生まれているそうだ。また、集落がなくなり除雪されなくなった道路はクロスカントリーに向いているため、練習場所として貸して欲しいとの声もある。
学部の枠を超えたグループ(ホーム)により、地域に寄り添った活動を行う新潟大学の学生支援プログラム「ダブルホーム」の活動の場にもなっており、大学生による蕎麦の栽培が行われている。「地域の中を若い人が歩いていると景色が違う。それだけでも地域が元気になる効果がある」と石川さんは笑う。
「交流人口をどんどん拡大して、移住などに結びつき、空き家を利用して喫茶店や蕎麦屋など、いろんなことをやる人が増えていってほしい。スタンプラリーでそれらを楽しみながらまわるのも良いと思う。他にも、七福神にちなんだご利益エピソードを募集して発信すれば、七福の里が盛り上がるのでは?」石川さんのアイデアは尽きない。
七福荘の駐車場を会場として開催される七福の里祭りには、毎回多くのカメラマンが訪れる。残念ながら、ここ2年は祭りが開催されていないが、活性化委員会主催で、七福神とめぐる七福の里撮影会とフォトコンテストを行い、入賞作品を七福荘に展示した。
町や地域振興局と一体となって取り組んだ「七福神めぐり」スタンプラリーは、各集落に安置された七福神を1時間ほどで回れるそうだ。
「人口減少、高齢化が進むこの地域を、交流人口を増やすことで活性化させたい。人口は減っているが元気は無くしたくない!」と石川さんは語る。
若者をどうやって呼び込むかが課題とのことだが、明るい兆しもある。
石川さんが組合長を務める丸渕観光わらび園。毎春数千人が訪れる人気スポットだが、わらび園のように木が全く無い山は珍しく、スノーモービルを走らせるには絶好の場となり、昨年から冬場の利用が生まれているそうだ。また、集落がなくなり除雪されなくなった道路はクロスカントリーに向いているため、練習場所として貸して欲しいとの声もある。
学部の枠を超えたグループ(ホーム)により、地域に寄り添った活動を行う新潟大学の学生支援プログラム「ダブルホーム」の活動の場にもなっており、大学生による蕎麦の栽培が行われている。「地域の中を若い人が歩いていると景色が違う。それだけでも地域が元気になる効果がある」と石川さんは笑う。
「交流人口をどんどん拡大して、移住などに結びつき、空き家を利用して喫茶店や蕎麦屋など、いろんなことをやる人が増えていってほしい。スタンプラリーでそれらを楽しみながらまわるのも良いと思う。他にも、七福神にちなんだご利益エピソードを募集して発信すれば、七福の里が盛り上がるのでは?」石川さんのアイデアは尽きない。

■七福の里は観光の宝庫
七福の里の周辺には、七福神だけでなく、七つのバンガローやキャンプ場を備えたふれあいの森や、丸渕観光わらび園、たきがしら湿原、大尾不動滝、御前ケ遊窟、九才坂峠など、魅力的な観光スポットが点在していて一日中楽しむことができる。
「阿賀町は、山のレジャーを楽しめる場所としては新潟市から距離が近く、魅力があれば集客が見込める。大規模な観光地とは違って素朴だが、いろんな素材があるのが良いところ。コロナ対策では色々と大変ではあったが、今まで考えなかった事を考えたり、やらなかった事をやることができた。」と前向きに語る石川さん。これからも七福の里、そしてNPO法人七福の恵の活躍に注目したい。
「阿賀町は、山のレジャーを楽しめる場所としては新潟市から距離が近く、魅力があれば集客が見込める。大規模な観光地とは違って素朴だが、いろんな素材があるのが良いところ。コロナ対策では色々と大変ではあったが、今まで考えなかった事を考えたり、やらなかった事をやることができた。」と前向きに語る石川さん。これからも七福の里、そしてNPO法人七福の恵の活躍に注目したい。

七福の里のインスタグラム