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まちづくり・観光
2019.03.26

縄文ダンサーが伝える精神文化、笹山遺跡を舞台に自ら楽しむ生き方

十日町市
NPO法人笹山縄文の里 事務局長/縄文ダンサー
野沢恒雄(ツネルペ)さん
「NPO法人笹山縄文の里」の立ち上げに関わる
十日町市中条地区にある笹山遺跡は、縄文時代の集落跡で新潟県で唯一国宝に指定された火焔型土器群が発見された場所だ。この遺跡を舞台に、縄文を生かしたまちづくりや縄文文化の発信に10年以上取り組んでいる「NPO法人笹山縄文の里」の事務局長で、縄文ダンサーとしても活躍する野沢恒雄(ツネルペ)さんにお話を伺った。

「ネイティブ・アメリカンやアイヌの人々もそうだけど、大地に根ざして生きる人たちの世界観や価値観の中には、生きることの原点を気づかせてくれるものがある」。そう語る野沢さんは、もともと先住民族の精神文化に興味があったそうで、実際にアメリカ先住民の文化に触れにアメリカに訪れたこともあるという。活動を始めたきっかけは、笹山の近くに引っ越してきた際に、笹山遺跡を活用したまちづくりを行うNPO法人の設立に、仲間として誘いを受けたことだった。

笹山縄文の里は、自ら楽しむことを基本に、学び、体験し、交流し、持続可能な未来へいきいきとした地域づくりを行うことを目的に、2007年に設立された。地元の中条地区振興会とともに毎年開催している「笹山じょうもん市」の企画運営をメインに多彩な発信、交流事業を行うほか、市からの委託で笹山縄文館や竪穴住居がある遺跡広場の管理・運営なども行っている。

「笹山じょうもん市」は、十日町市中条地区の人たちが主体となり、火焔型土器の国宝指定をきっかけに2000年から始まったイベントで、笹山縄文を世界に発信したり、地域をさらに元気にしたりすることを目的として、遺跡を舞台に手作りの縄文服を着て練り歩いたり、縄文食やアンギン編みなどの縄文体験、そしてみんなで踊ったり歌ったりなど様々な縄文文化を一日楽しめる内容となっている。2018年には過去最高となる約3,500人の来場があり、2019年にはいよいよ節目となる第20回を迎える。
「自分自身も楽しい」そして縄文ダンサーへ
「みんなで太鼓叩いて踊りたいねというところから、鼓童の方々によるワークショップを行い、プロのダンサーにも来てもらった。みんなで太鼓やダンスのワークショップをする中で、もともと踊りが好きだったというのもあって自分も踊るようになり始めた。縄文に興味をもってもらいたいし、自分自身も楽しいし」。こうした経験を経て、自ら縄文ダンサーと名乗るようになり、縄文文化を知ってもらうために各地に赴くようになったそうだ。

これまでに、近隣の小中学校や高校だけでなく、遠くは早稲田大学や立教大学などでも踊ってきた。新潟国際情報大学とは大学の地域貢献活動の一環で連携しており、毎年映像で縄文を紹介するとともに踊っているという。鑑賞した学生からは「引き込まれるものがあった」「縄文文化の奥深さを知れた」などの反響があった。

「すごくエネルギーをいただけるし、ありがたいなと思う。機会があればどこでも踊りたい」と、野沢さんは様々なところで縄文ダンスを披露してきて、チャレンジしていくことの面白さを大きく感じている。
次の時代を生み出す「力」の場
また、野沢さんは昔から写真が趣味だったこともあり、火焔型土器と笹山の自然をテーマに多くの写真を撮り、ダンスと合わせてその魅力の発信をしてきた。こうした取り組みも、笹山縄文の里での事業に結びつき、地元中条小学校の子どもたちのメッセージを添えたポストカードの作成や、十日町総合高校や十日町高校など近隣の写真部と連携して「笹山写真展」を開催するなどの広がりが生まれてきている。

大地の芸術祭の自主イベントでの映像を見せていただいた。縄文服を着た野沢さんが、指の先まで力をみなぎらせながら、華麗な槍さばきで5分もの間、踊り続ける。その姿には、一万三千年の共生と平和を築いた縄文時代の神秘的とも言うべき迫力があった。

活動を続ける中で、いろいろな分野で活動するたくさんの人たちとの出会いとつながりをいただいてきた。「人との出会いはかけがえのない宝ものですね。考え方とかそれぞれ違っていてもすばらしい地域や時代を創っていきたいという想いはひとつ。違いを超えて、縄文というでっかい舞台でつながってともにわくわくと夢に向かっていきたいね。」と野沢さん。

「精神文化や生き方を伝えられると、社会が変わっていく何かきっかけになるかなと思う。ともに生きる平和で持続可能な社会へ、人間一人ひとりが新たな価値観を持っていけたら。笹山は出会いの場でもあるし、交流の場でもある。次の時代を生み出す「力」の場になったらいいな」とにこやかに語る。

ところで、ツネルペというのは縄文ネームのことで、縄文を活用した地域づくりの一環として地域で生まれたアイデアだという。ツネルペという名前は、「恒雄」の「つね」をとって勝手につけたそうだが、アイヌ語で「恒雄の道を歩め」という意味になると後で知ったそうだ。

縄文ダンサーに、縄文ネームと、私たちの関心をわきたたせてくれる野沢さん。ぜひ縄文の風を感じに笹山遺跡を訪れ、野沢さんといっしょに笹山の大地で踊ってみてはいかがだろうか。
NPO法人笹山縄文の里

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