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健康と福祉
2019.12.24

農園芸で越後にユニバーサルな未来を!UNEが起こす社会のうねり

長岡市
認定特定非営利活動法人UNE 代表理事
家老 洋さん
長岡市中心街から車で20分、山道を少し登った一之貝集落に認定特定非営利活動法人UNE(ウネ)が運営する、地域活動支援センターUNEHAUS(ウネハウス)がある。ここでは、農園芸作業を通じて障がい者や生活困窮者等の自立支援を行ないながら、高齢者や子ども、外国人などの誰もが交流し、共に支え合いながら安心して暮らしていける地域づくりと中山間地域の活性化を目指し、活動している。代表を務める家老洋(かろうひろし)さんに、活動のきっかけや想いについて伺った。
憧れの海外生活で、農業の多面性を知る
家老さんは長岡に生まれ、幼少期より米農家を営む祖父母の元で農業に親しんだ。海外経験のある父親の影響もあって「将来は青年海外協力隊として外国へ行き、農業指導者として頑張りたい」という夢を抱くようになり、県外大学の農学部で勉学に励んだ。

卒業後は協力隊ではなく、大学の恩師の紹介で、ドイツへ1年間農業実習生として派遣され、農業に学歴や家柄は関係ないことを学び、世界中からきた実習生や労働者と共に汗を流した。帰国してからは、実習生として送り出してくれた国際交流団体に就職し8年後には、欧州駐在員として再びドイツへ赴任し7年間務めた。合計8年に及ぶドイツ生活で、欧州では、障がい者の治療や生きがいづくりで、農作業に携わっていることを知り、単なる人手ではなく、農業と福祉が一体となって捉えられていることが強く印象に残ったそうだ。

家老さんは赴任を終え帰国するタイミングで、赴任中に授かった3人の子どもの教育のことや、議員であった父親のようにいつかは自分も政治をやりたいと考えていたことから、退職して故郷長岡へ戻ることに決めた。
中越地震発生、避難したくてもできない人がいる
長岡に戻った家老さんは、1999年長岡市議会議員となった。農業振興や地域の活性化、国際交流などに取り組んでいた2004年10月中越地震が発生した。家老さんは発災当初より、避難所の立ち上げに陣頭指揮を執り、3日間避難所の運営に当たった。

しかし、避難が落ち着いたので外を回ってみると、認知症の高齢者や障がい者、車いすに乗っている方など避難したくてもできない人達が多くいることに気づいた。家老さんは何度か声を掛けたが、避難所の設備や他の避難者の目を考慮したのか、最後まで避難はされなかったという。「逃げて来られない人に、自分は何もできないのか」と、この時のことが家老さんの心に深く突き刺さった。

この想いがきっかけとなり、「本当に困っている、政治や行政の光が当たらない人のために働きたい」と12年務めた議員を辞め、本格的に福祉と農業をつなぐ活動を始めることを決断した。「議会に残ったのは議事録だけ。でもこうした活動は、人の記憶にも次の世代にも残せる取り組みだと考えた」と家老さん言う。
日々の小さな積み重ねが、地域との絆に
活動のために立ち上げたNPO法人の名前は「UNE」。経験、スキルがなくても誰もが携わることのできる農園芸を通じて、障害の有無に関わらず互いを支え理解し合いながら生きていける社会をつくりたい、という理念を「ユニバーサル、農園芸、越後」のアルファベットの頭文字3込めた名前だ。

UNEの活動目的は、農園芸作業を通じて行なう障がい者への仕事づくりや高齢者の生きがいづくり、そして生活困窮者等の社会的弱者の居場所づくりだ。

今力を入れているのが「アグリビジネス」だ。農家レストラン、農産品加工、農家民泊、作業請負や田舎体験など様々なものがある。
農家レストランでは、スタッフや赤ちゃん、地域のお年寄りが同じ釜の飯をみんな一緒に食べ、「あそこが空き家だ」「○○さんの体調が良くない」など情報交換が自然と行なわれる。
地域の特産品にしようと始めたどぶろくづくりでは、2019年2月の「全国どぶろく研究大会」で優秀賞を受賞することができた。

また、地域の人と積極的に交流する中で、特にお年寄りから色んな困りごとの相談が寄せられようになった。「ハチに刺された、畑で転んで手首を折った、畑を耕してくれ、連絡がくればすぐに駆け付けますよ。いくらになるか、ではなく、その人のためになること、自分を信じて頼って来てくれたことに真摯に応えることが大切ですから」。

そのお返しにと、お年寄りの皆さんは寄付をしてくれたり、忙しい時期に柿の収穫やお茶づくり等の手伝いに来てくれたりするという。「最近では地域のお年寄りに万歩計を配り、今日何歩歩いた?と聞くことが毎日のコミュニケーションのきっかけにもなる」こうした日々の積み重ねが、地域との絆になると家老さんは感じている。
課題は山積み、でも感謝されたらもうやめられない
家老さんが、今後のNPOの運営課題と捉えているのは、自主財源の確保と後継者の育成だ。安定的な財源があれば新しい事業への挑戦や職員の給与アップもできる。後継者がいなければ未来に投資をしても意味がない。
「なんでそんな大変なことをするのか、と聞いてくる人もいる。でも実際の現場で喜ぶ顔を見て、感謝されたらもうやめられないよね」と語る家老さんはとても頼もしい。

農家レストランUNHAUSは電話で予約すれば誰でも食事ができる。
UHEHAUSで「うねごはん」を食べ、地域の温かさを感じてみてはいかがだろうか。

認定特定非営利活動法人UNE
https://www.une-aze.com/

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