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暮らしの安心
2019.03.26

芸人の行政書士!?当たり前の生活をサポートする力になりたい

加茂市
えんたけ行政書士事務所/えんたけ芸能社
高橋 正芳(縁竹縄)さん
ある日突然、芸人に
地域の茶の間など高齢者の集まる場所へ出向き、芸人・縁竹縄として「歌声喫茶」を開催しながら、行政書士として「終活」に関する講演を行なっている高橋正芳さん。メガネと帽子がトレードマーク、ギターを抱えて昭和の喜劇王「エノケン」の歌を弾き語りするスタイルで、芸人としてのキャリアはすでに13年。そんな高橋さんに、芸人を始めたきっかけや行政書士となった経緯についてお話しを伺った。

高橋さんは、高校卒業後に上京して専門学校を卒業後、東京の音楽事務所に就職した。裏方として働いていたが、ある日突然、社長から「お前も明日から歌え」と言われ表舞台へ立つこととなった。高橋さんが舞台で歌うのに選んだのは「エノケン」。高齢者の方にとっては大スターであり、高橋さんの祖父がよく歌っていたことから馴染みがあったそうだ。

高橋さんが芸人として「エノケン」を歌っていると知った知人から、老人ホームをまわってみたらと誘われたことがきっかけで、舞台に立つ傍ら、老人ホームをまわるボランティアを始めた。

初めての訪問先は川崎市のデイサービス。30名ほどのお客さんは全員女性で、高橋さんのステージを見たおばあちゃんたちからは黄色い歓声を浴び、この活動の意義を実感したそうだ。高橋さんの祖母が25年近く寝たきりの生活をしていたこともあり、ご年配の方々に少しでも楽しんでもらおうと、その後も老人ホームやデイサービスへの訪問を続け、これまでに240ヵ所以上を訪問してきた。
芸人と行政書士の二足の草鞋
2011年1月、家業を継ぐため新潟に戻ることになったが、老人ホーム巡りはすぐに再開した。東京にいた頃から、時々新潟でも活動していたため知り合いも多く、また高橋さんの活動が珍しかったのか、噂は口コミで広がり色々な場所で歌を披露してきた。

ボランティアを続けていく中で、「当たり前の生活を送る」サポートをしていきたい、という想いが高橋さんの中で強くなってきたという。高橋さんの祖母が寝たきりの生活を送っていたように、年をとれば誰しも若い時のようにはできなくなる時がやってくる。高齢者やその家族が安心して生活し、豊かな人生を送るため、正しい知識を身につけてお手伝いをしていけるよう、地域の身近な法律家、行政書士を目指すことにした。

資格取得後、2017年4月に行政書士として独立し、「終活」を一つのテーマに掲げて、芸人との二足の草鞋に取り組んでいる。「終活」に関する講演だけでは笑う場面がないし、雰囲気は重たく暗い。そこで、芸人・縁竹縄として、歌のステージとセットにすることで、雰囲気が明るくなり、会場には笑顔があふれるそうだ。「終活唄めぐり」と名付けたこの活動は、この1年半で県内70か所を訪問してきた。

「みんな孫を見るかのように笑顔になってくれる。ぜひ楽しく終活してもらいたい」と高橋さんは笑顔で語る。

最近では、地域の茶の間以外にも、企業からも依頼がくるようになったり、障害者施設が主催するお祭りに参加することもある。芸人でもあり、行政書士でもある高橋さんの活動が着実に広がってきている。
これから目指すこと
また、行政書士としての専門性を活かして、空き地・空き家対策を行うNPO法人の立ち上げにも携わっている。商工会議所青年部が中心となって、様々な業種の人、資格を持った人が集まり、ワンストップで相談に乗ることができる体制をつくったそうだ。セミナーや講演を通して、空き家に対する問題意識を高めてほしいし、地域の方がどういう悩みを持っているのか把握し、活動を組み立てていきたいと考えている。法人を立ち上げたことで、行政書士の領域だけで対応できないことを仲間と助け合うことも可能になったそうだ。

最後に今後の展望についてお聞きした。「行政書士の仕事として、現在中心となっているのは相続関係。ただ、これは人が亡くなったあとの話です。一番願っているのは、生きているうちによりよい人生を歩んでいきただきたいということ。そのためには、行政書士として元気なうちに備える必要をみなさんにお伝えし、サポートする必要があります。芸人・縁竹縄の活動もセットで続け、独立したばかりの事務所の運営が軌道に乗ってきたら、ボランティアでの老人ホーム歌巡りの活動も再開したい」と高橋さんは力強く語った。

縁竹縄という芸名は、人との縁が竹のように高く伸びて、伸びた縁が縄で一つになったらいいなという想いが込められている。「この話は実は後付けなんです」と高橋さんは笑いながら語っていたが、芸人・縁竹縄さんと行政書士・高橋さんの活動は今まさに、ぐんぐん縁をつないでいると感じた。
えんたけ行政書士事務所/えんたけ芸能社

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