にいがた協働の広場
子育て・教育
ママの笑顔を応援したい。産前から産後、その先もずっと。
2021.10.28
内容
NPO法人 はっぴぃmama応援団は、よいこの小児科さとうと協働し、新潟市中央区で「親とよいこのサポートステーションはっぴぃmamaはうす」を運営している。「ママの笑顔がいちばん!」をモットーに、ママたちの居場所づくりや、お悩み解決のお手伝いなど、妊娠期から産後まで切れ目ない支援を提供している。代表理事の松山由美子さんにその取組について話を伺った。
協働の形態
事業協力
協働の主体
認定特定非営利活動法人 はっぴぃmama応援団、医療法人 よいこの小児科さとう
自治体
ママだからこそ思うこと「ママが集まる居場所を作りたい。」
はっぴぃmama応援団は、子育て中のママたちの居場所として、2009年に新潟市西区で任意団体からスタートした。
松山さんは、夫の転勤に伴い県外で子育てをしている時、発育相談や遊び場など、子どもを支援する機関はたくさんあるが、産後ママのケアをしてくれるところや、ママたちが気軽に行ける居場所がないと感じていた。
「ママが集まる場所を作りたい。」そんな思いを持った松山さんは、転勤で各地を転々としながら、公民館などの会場を借りて、個人でベビーマッサージや親子ヨガ、骨盤ケアの教室を開くようになった。
新潟に戻り、活動を続けていく中で、「私もママたちのために何かやりたい。」という、松山さんと同じ思いを持った人が集まっていった。メンバーはみな、様々な特技を持っていたので、交代で講師を担当し、ママ向けの講座を開催した。
活動のために、公民館を利用したり助成金を申請する中で、個人活動の不便さや拠点の必要性を感じていたところ、運良く一軒家を貸してくれる場所が見つかり、2009年に任意団体を発足させ、2015年にNPO法人を設立する運びとなった。
松山さんは、夫の転勤に伴い県外で子育てをしている時、発育相談や遊び場など、子どもを支援する機関はたくさんあるが、産後ママのケアをしてくれるところや、ママたちが気軽に行ける居場所がないと感じていた。
「ママが集まる場所を作りたい。」そんな思いを持った松山さんは、転勤で各地を転々としながら、公民館などの会場を借りて、個人でベビーマッサージや親子ヨガ、骨盤ケアの教室を開くようになった。
新潟に戻り、活動を続けていく中で、「私もママたちのために何かやりたい。」という、松山さんと同じ思いを持った人が集まっていった。メンバーはみな、様々な特技を持っていたので、交代で講師を担当し、ママ向けの講座を開催した。
活動のために、公民館を利用したり助成金を申請する中で、個人活動の不便さや拠点の必要性を感じていたところ、運良く一軒家を貸してくれる場所が見つかり、2009年に任意団体を発足させ、2015年にNPO法人を設立する運びとなった。
わずか15分で交渉が成立!佐藤医師との出会い
活動が軌道に乗り、講座やイベント開催でママの居場所を提供していた松山さんに、転機が訪れた。パネリストとして登壇したセミナーの休憩時間、同じくパネリストとして登壇していた医療法人よいこの小児科さとうの医師、佐藤勇さんと雑談していたときのことだった。
自分たちの日頃の活動内容を紹介し、「お産を前向きに受け取れると、その後の子育てが違う。お産の捉え方が子育てを変える。」と佐藤さんに話したところ、松山さんたちの活動内容に興味を持ってくれた。当時、小児科の休診時間を利用した育児相談会を行いたいと考えていた松山さんは、佐藤さんの医院でそれを実施できないかと相談したところ、快く承諾してもらうことができた。休憩時間わずか15分での交渉成立だった。
佐藤さんにとっても、松山さんとの出会いは転機となった。
佐藤さんは当時、フィンランドの子育て包括支援制度ネウボラについて、医師仲間の話や新聞記事等で見聞きして関心を持っていた。「産前から相談できる場所が地域にあり、子どもが小学校に入るまで家族全員を支援する」というネウボラの理念は、まさに松山さんたちが目指しているものだった。
育児中の母親を支え、子育てに対する悩みや不安が軽くなることにより、また子どもを産みたくなり、それが少子化対策になる。妊娠中から母親を支援することで、母親やまわりの家族に心の準備ができ、虐待防止にもなる。松山さんとつながることで、佐藤さんにも目指す方向が新たに見えてきたのだった。
松山さんが月に一度の相談会を開催するために通っている間に、佐藤さんがママの居場所の重要性についても理解してくれるようになっていった。医師の立場で子育て支援がしたい佐藤さんと、ママたちへの支援をもっと充実させたいNPO法人。双方の熱意が高まったタイミングで、新潟県少子化対策モデル事業の募集があり、協働事業としての「妊娠期からの切れ目ない支援プロジェクト」が採択された。そして、2016年の春に「親とよいこのサポートステーション はっぴぃmamaはうす」オープンが実現した。
「佐藤先生との出会いがなかったら、今の私たちの活動はない。」松山さんの言葉には感謝の思いがあふれる。
自分たちの日頃の活動内容を紹介し、「お産を前向きに受け取れると、その後の子育てが違う。お産の捉え方が子育てを変える。」と佐藤さんに話したところ、松山さんたちの活動内容に興味を持ってくれた。当時、小児科の休診時間を利用した育児相談会を行いたいと考えていた松山さんは、佐藤さんの医院でそれを実施できないかと相談したところ、快く承諾してもらうことができた。休憩時間わずか15分での交渉成立だった。
佐藤さんにとっても、松山さんとの出会いは転機となった。
佐藤さんは当時、フィンランドの子育て包括支援制度ネウボラについて、医師仲間の話や新聞記事等で見聞きして関心を持っていた。「産前から相談できる場所が地域にあり、子どもが小学校に入るまで家族全員を支援する」というネウボラの理念は、まさに松山さんたちが目指しているものだった。
育児中の母親を支え、子育てに対する悩みや不安が軽くなることにより、また子どもを産みたくなり、それが少子化対策になる。妊娠中から母親を支援することで、母親やまわりの家族に心の準備ができ、虐待防止にもなる。松山さんとつながることで、佐藤さんにも目指す方向が新たに見えてきたのだった。
松山さんが月に一度の相談会を開催するために通っている間に、佐藤さんがママの居場所の重要性についても理解してくれるようになっていった。医師の立場で子育て支援がしたい佐藤さんと、ママたちへの支援をもっと充実させたいNPO法人。双方の熱意が高まったタイミングで、新潟県少子化対策モデル事業の募集があり、協働事業としての「妊娠期からの切れ目ない支援プロジェクト」が採択された。そして、2016年の春に「親とよいこのサポートステーション はっぴぃmamaはうす」オープンが実現した。
「佐藤先生との出会いがなかったら、今の私たちの活動はない。」松山さんの言葉には感謝の思いがあふれる。
ママが安心して過ごせる居心地の良い場所づくり
はっぴぃmamaはうすでは、ママの居場所としてのミニサロン、産前産後デイケア・訪問ケア、育児個別相談など、さまざまなメニューを用意して子育て中の母親たちに寄り添っている。産後デイケア利用者のためには、車による送迎も行っている。また、調理設備もあり、日替わりのワンコインランチや、スイーツ、ドリンクなどを提供。食事中は、スタッフが赤ちゃんを抱っこしたり、あやしたりしてくれるため、子ども優先の毎日で、ゆっくりと味わって食事することもできない母親たちにとって、最高のランチタイムになっていた。現在は、感染症予防のためにテイクアウトランチに切り替えて対応している。
佐藤さんは月に一度「子どもの育ち相談会」で毎回テーマ変えて講座を担当している。医師に直接質問ができるスタイルの相談会は、とても人気が高く、佐藤さんの話を聞きに来る利用者も多い。
新型コロナウィルスの感染が拡大し始めてから、親子での外出ができなくなり、母親と子どもの孤立が心配された。
はっぴぃmamaはうすでは、いち早くオンライン化に取組み、助成金も活用して機材を揃え、オンラインでの育児相談や講座を始めた。子連れで出かけるのは準備も大変だが、子どもが熱を出したとしても、自宅にいながら気軽に参加できるのが好評だ。
オンラインでの交流が定着してきたとはいえ、母親同士の交流が減っていることを松山さんは懸念している。「ママたちが話したいけど、話す場もない。相談機関はあるけど、なかなか自分の気持を吐くことができない。イライラを止められず悩むママは多い。」と心配そうに話す。そんな母親たちの気持ちに寄り添うために、はっぴぃmamaはうすでは座談会を開催して、母親たちの話す場を設けている。何回か通ううちに、スタッフとの信頼関係が生まれ、少しずつ悩みを打ち明けられるようになっていく。
しかし、自分から出てこられる元気な人ばかりではない。「出てこられない人のところには訪問し、手が届いていないところに手を差し伸べたい。虐待は誰にでも起こりうること。虐待防止の観点からも、市と連携してデイケア、訪問ケアに力を入れていきたい。」と、真剣なまなざしで語る松山さん。新潟のママたちの笑顔を増やすために、医療機関や行政、企業などとはっぴぃmama応援団の協働の輪は、今後もさらに広がっていくだろう。
佐藤さんは月に一度「子どもの育ち相談会」で毎回テーマ変えて講座を担当している。医師に直接質問ができるスタイルの相談会は、とても人気が高く、佐藤さんの話を聞きに来る利用者も多い。
新型コロナウィルスの感染が拡大し始めてから、親子での外出ができなくなり、母親と子どもの孤立が心配された。
はっぴぃmamaはうすでは、いち早くオンライン化に取組み、助成金も活用して機材を揃え、オンラインでの育児相談や講座を始めた。子連れで出かけるのは準備も大変だが、子どもが熱を出したとしても、自宅にいながら気軽に参加できるのが好評だ。
オンラインでの交流が定着してきたとはいえ、母親同士の交流が減っていることを松山さんは懸念している。「ママたちが話したいけど、話す場もない。相談機関はあるけど、なかなか自分の気持を吐くことができない。イライラを止められず悩むママは多い。」と心配そうに話す。そんな母親たちの気持ちに寄り添うために、はっぴぃmamaはうすでは座談会を開催して、母親たちの話す場を設けている。何回か通ううちに、スタッフとの信頼関係が生まれ、少しずつ悩みを打ち明けられるようになっていく。
しかし、自分から出てこられる元気な人ばかりではない。「出てこられない人のところには訪問し、手が届いていないところに手を差し伸べたい。虐待は誰にでも起こりうること。虐待防止の観点からも、市と連携してデイケア、訪問ケアに力を入れていきたい。」と、真剣なまなざしで語る松山さん。新潟のママたちの笑顔を増やすために、医療機関や行政、企業などとはっぴぃmama応援団の協働の輪は、今後もさらに広がっていくだろう。
認定NPO法人 はっぴぃmama応援団