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学校の勉強についていけるようになった!ボランティアによる無料の学習支援 NPO法人キッズスマイル 関根 直樹さん

学校の勉強についていけるようになった!ボランティアによる無料の学習支援 NPO法人キッズスマイル 関根 直樹さん  「教育格差をなくすことが目的。ひとつの居場所となればと思ってやっている。」

 NPO法人キッズスマイルの関根直樹さんは、勉強がしたくても、経済的に苦しい家庭やひとり親家庭などの理由で塾へ通えず、充実した教育を受けられない子どもたちのために、上越市で民間の無料学習塾を開いている。

 キッズスマイルの活動は毎週土曜日の10時〜12時まで、公民館や市民プラザなどで行っている。生徒は現在、小学3年生〜中学3年生の子どもたちが毎回10〜15名ほど参加している。講師は上越教育大学の大学院生を中心として、一般のボランティアの人も参加して、生徒2人に対して講師1人で見ている。

 子どもたちは学校の宿題や個人で買って持ってきたワークなどで勉強している。学習のつまずきは、前の学年のつまずきから来ていることが多いので、講師には遡って教えてもらうよう伝えているそうだ。

 講師に謝礼はないが、講師には先生を目指している学生が多いので、勉強の教え方や子どもたちとの関わり方などが「勉強になる」と言ってくれ、Win-Winの関係ができているそうだ。

 普通の会社員である関根さんが活動を始めたきっかけは、東京都八王子市で無料の学習支援を行っている、つばめ塾の理事長の話を聞いたことだった。塾講師の経験もない自分でも何かできるかと思い、同様の取り組みが上越市にあるのか問い合わせてみたところ、今後も予定はない言葉を伝えられたという。

 そこで、自分の子どもも塾に通わせることが難しかったことや、自分と同じ状況の家庭も多いのではないかと思い、「ないのであれば自分で作ろう」と、無料学習塾づくりのために動き始めた。

 最初に、上越教育大学内にボランティア募集ができる掲示板があると聞き、チラシを貼らせてもらった。するとすぐに数名の学生から反応があり、講師を務めてもらうことができた。次に、生徒募集のチラシを一軒一軒のポストに配って歩いた。こうした地道な活動が実り、最初は生徒5名、講師3名で活動が始まった。珍しい取り組みということもあり、新聞などに取り上げられることも多く、それを見て連絡してくる人が増え、現在は生徒20名、講師15名の体制で活動している。

 子どもたちには色々な大人と触れ合ってほしいという想いから、できるだけ異なる生徒と講師がペアを組むようにコーディネートしている。「家での勉強の仕方も教えてくれ、いろんな講師からいろんな学習の仕方も教えてもらうことができることも特徴の一つ」だと感じているそうだ。

 参加している子どもや親から「来たことによって成績が上がった」、「学校では先生になかなか勉強のことを聞けないけれど、ここではとことん聞ける」、「学校の勉強についていけなかったけど、ここに来るようになってついていけるようになった」という声をもらっており、学習成果が上がっているようだ。

 「親とか学校の先生に相談できないことも、大学生の講師なら気軽に相談できるようだ。自分の子どもたちも参加しているが、喜んで勉強をやっている。家にいて母親に「勉強しなさい」と叱られながら勉強するよりいいみたいだ」と関根さんは笑って語る。

 昨年には、イベントとして自然体験教室を開き、釜蓋遺跡公園で土笛作りをして、講師と生徒の交流を深める機会も増やしている。

 現在、一番の課題は、講師ボランティアの安定的な確保だ。いま中心となっている大学院生は2年ほどで卒業してしまうことから、「大学院生だけではなく、学部生にも協力をしてもらいたい気持ちもある。また理科や社会を詳しく教えられる人材が不足しているので、そうした知識を持っている人に協力をしてもらいたい。」という。

 今後は、「週1回土曜日だけを、土曜日と水曜日の週2回の開催に増やしたい。また募金付きの自販機を公共施設や企業などに置いてもらい、その募金を運営に当てられればと思っている。」とアイデアを膨らませている。

 「勉強についていけないと学校が楽しくない。ここにきて勉強について行けるようになれば楽しくなると思う。1回来ると、ほとんどの子どもたちが毎週来るようになります。1回来てみたけど、「やっぱり行かない」となっても、「また始めたい」といえばいつでも来ていい場所。親が他人の目とかを気にして尻込みしないで、一歩踏み出す気持ちで、気軽に来てほしい。」

 「好きで始めて、勝手に守りたいものがあって勝手にやってきたけど、子どもたちが一生懸命に勉強をしている姿を見て、やって良かったなと思っている。仕事の傍らでやっているので大変ですが、やめたいと思ったことはなくて、とても楽しい。子どもたちが夢を持って生きていければいいなと思っています。」

 子どもたちを想う気持ちは温かく、楽しそうに笑って語る関根さんが印象的だった。


・NPO法人キッズスマイル http://tjgcc681.wixsite.com/kids-smile


(2018/1/31 にいがたNPO情報ネット http://www.nponiigata.jp

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